2015年10月のVisa Bulletinには、長期にわたって審査を待っている永住権申請者にとって朗報といえる措置が発表された。
これまで、永住権申請には長い待機時間が必要とされてきたが、今回の米国国務省及びUSCIS(米国帰化移民局)の発表によれば、待機時間が長期に及んでいるカテゴリーの申請者には、プライオリティデート(Priority Dateという申請提出が可能になる日)にならなくとも、申請の最終段階であるAdjustment of Status(滞在資格変更するためにForm I-485を提出)に入ることが特別に認められることになる。現在、中国人、インド人等の申請者は、Adjustment of Statusの申請が可能になるまでに10年もかかっているが、審査作業の停滞している全ての永住権申請者にとって、大きなインパクトをもたらす措置となる。
これにより、該当する申請者は、最終段階の審査が実際に行われるよりもかなり前の段階でAdjustment of Statusの手続きに入ることができるようになる。実際には、申請許可証(Form I-140申)上のプライオリティデートにならなければ滞在資格を変更することはできないが、この手続きに入ることにより、就労許可証(EAD)の申請がかなり早まることになる。実際に永住権が認められ、グリーンカードを手にするまでには引き続き長い時間が必要とされるが、今回の措置により、該当する申請者は待機中に就労、転職できることになる。
この措置は、以下のカテゴリーに該当する雇用ベース永住権申請者にとって特に大きな影響となる。
- EB-2インド: Final Action Date = 5/1/05、Filing Date = 7/1/11
- EB-3フィリピン: Final Action Date = 1/1/07、Filing Date = 1/1/15
- EB-2中国: Final Action Date = 1/1/12、Filing Date = 5/1/14
- EB-3中国: Final Action Date = 10/15/11、Filing Date = 10/1/13
詳しい手続き等については、今後も発表になり次第、追って紹介するが、該当者は書類の準備を進めておくべきである。本件はまだ大まかな発表がされただけであり、細かい点については今後決定される。