ハイライト
給与の透明性に関する法律が全米で勢いを増し、採用時における報酬についてのオープンな対話を促進しています。
予想通りに法律が署名されれば、イリノイ州は2025年1月1日から有効となるよう均等報酬法を改正し、雇用主に対して、求人広告で給与水準と福利厚生を開示することを義務付けます。
雇用主は該当する開示要件を遵守するために適切な措置を取ることを検討すべきです。
2023年5月17日、イリノイ州議会の両院で3129号法案が可決されました。この法案はJ.B.プリツカー知事によって署名され、2025年1月1日に発効される予定です。イリノイ州は、差別を解消し給与格差を是正すべく、給与の透明性を確保するための法律を制定または検討している州の一つに加わることになります。
これらの法律は、以前は不当な低賃金で雇われてきた個人（主に女性やマイノリティ）が、雇用主のオファーの公平性を評価するための正確な情報を持っていた場合、より高い給与や時給を要求できる可能性があるという考え方に基づいています。給与の透明性を確保するための法律は、就職希望者や従業員が報酬についての交渉においてより力を持つことで、競争の均等な条件を提供しようとしています。
新法はイリノイ州の均等報酬法を改正し、15人以上の従業員を抱える雇用主に対して、求人広告で給与水準と福利厚生を開示することを義務付けます。他の多くの州と異なり、雇用主は必要な開示事項のリストが掲載された公共のウェブページへのハイパーリンクを含めることで、この要件を満たすことができます。この開示義務は、イリノイ州で物理的に行われる職務に加えて、州外で就労する従業員がイリノイ州の上司、オフィス、または作業場所に報告する場合についても適用されます。
雇用主は給与水準と福利厚生の記録を5年間保持する必要があります。法の要件に違反した雇用主には、初回の違反では最大で500ドル、2回目の違反では最大で2,500ドル、3回目以降の違反では最大で10,000ドルの罰金が科されます。
この3129号法案はカリフォルニア、コロラド、ワシントン州の給与の透明性を確保するための法律と類似しています。同様の法律は、ニューヨーク州では2023年9月に、ハワイ州は2024年1月1日にそれぞれ施行予定です。
給与の透明性を確保するための法律を持つ州や自治体の数はほぼ確実に増加し続けると思われます。アラスカ、ジョージア、ケンタッキー、マサチューセッツ、モンタナ、ニュージャージー、オレゴン、サウスダコタ州も同様の立法を準備しています。一方、ワシントンD.C.の立法府は、2023年6月8日に公聴会が予定されている給与の透明性を確保するための法律案を現在検討中です。
給与の透明性を確保するための法律を制定または検討していない州でも、雇用主は就職候補者、従業員、投資家、または第三者からの圧力を受けて、給与体系について透明性を持つことを求められる可能性があります。情報開示を行わないことを選択した雇用主は、優れた人材の獲得競争において不利な状況に陥る可能性があります。給与の透明性確保を義務付けることにより、雇用主には、従業員の採用と士気に与えるポジティブな影響に加え、労働力の多様化をもたらすことが見込まれています。
雇用主は事業への影響を検討するために、自社が所在する州の給与の透明性確保に関する法律の動向を常に把握する必要があります。給与の透明性確保のための法律制定の傾向は全米に及んでいますが、法律の内容自体は州ごとに異なるため、複数の州で事業を展開する雇用主は、各州で異なるまたは相反する義務を課される場合があります。雇用主は労働法専門の法律顧問と相談し、自社ビジネスに及ぶ影響を検討すべきです。
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