ハイライト
イリノイ州賃金均等法改正の遵守期限が間近
100人以上の従業員の雇用者は、事業の開始が2021年3月31日以降である場合を除き、2023年3月23日までに新たな要件を満たさなければならない。
他州でも、性別、人種、民族に関係なく給与の公平性を確保するため、民間の雇用者向けの給与透明化法が制定されている。
2021年、イリノイ州は給与の公平性を確保し、性別や人種による給与差別を禁止するべく、2003年に制定された均等給与法の改正を発表しました。
イリノイ州内に100人以上の従業員を抱え、雇用機会均等委員会にEEO-1 Reportを毎年提出する必要がある雇用者は、イリノイ州労働局に申請書を提出し、公平賃金登録の証明書を取得することが義務づけられました。
ほかにも同様の申請期限が迫っている州があります。
イリノイ州において申請を行うためには以下の文書を提出する必要があります。
- 雇用者が直近で提出したEEO-1 Report
- 昨年度の全従業員を網羅する一覧表（性別、人種、民族別の入社日、勤務地の郡名、昨年度の賃金も記載する必要がある。）
- 平均賃金の公平性、公平性を達成するための修正、職階、職の維持と昇進の機会、および賃金と福利厚生に関する評価と格差是正の方法等に関する、雇用者が該当する公民権法およびイリノイ州法の要件を遵守していることを証明する署名入りのEqual Pay Compliance Statement（均等賃金遵守誓約書）。
2021年3月31日以降にイリノイ州での事業を許可された雇用者は、事業開始後3年以内（ただし2024年1月1日まで）に申請書を提出する必要があります。2021年3月31日以前にイリノイ州での事業が許可された場合は、2022年3月24日から2024年3月23日までの間に申請書を提出する必要があります。州内に複数の拠点を持つ雇用者は1度に申請をすることができます。
コロラド州、コネチカット州、ネバダ州では、民間の雇用者にある程度の給与の透明性を義務付ける法律が既に制定されています。以下のように他の州もこの流れに追随しています。
カリフォルニア州
カリフォルニア州は、給与の透明性を法制化した最初の州ですが、同州議会は、州内の15人以上の従業員を雇用する雇用者に対し、求人広告において（第三者に求人広告を依頼する場合も含む。）給与の範囲の掲示を義務づける新法を可決しました。なお、同法は州内に100人以上の従業員を抱える雇用者は、性別、民族、人種別の平均給与額と中央値のデータを示すよう義務付けています。この法案は、2023年1月1日から実施されます。
ニューヨーク州
ニューヨーク州では、雇用者に求人広告において給与の額の範囲の開示を義務付ける給与透明化法案が、キャシー・ホークル州知事の署名を待っています。イサカ市、ニューヨーク市、ウェストチェスター郡では、雇用者や人材派遣会社が求人・昇進・異動情報を掲載する際に、給与の上限及び下限の記載を義務付ける法案が既に可決されています。これらの市や郡の法の遵守期限はそれぞれ異なりますが、いずれも2022年末までに発効される予定です。
ロードアイランド州
2023年1月1日より、雇用者は、情報を希望する応募者、および採用時、従業員が希望した際、従業員の異動時に、給与の額の範囲を提示する必要があります。
ワシントン州
2023年1月1日より、15人以上の従業員を雇用する雇用者は、求人広告においてすべての福利厚生やその他の報酬の説明を含む、給与の額の範囲を開示する必要があります。
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