科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野において「卓越した能力」を持つ外国人には、通常、より迅速にグリーンカードを取得できる可能性があります。EB-1 卓越した能力保持者のカテゴリーは、特定分野における能力を証明できる「ごく少数の個人」を対象とした、雇用に基づく第一優先ビザであり、いくつかの利点があります。移民ビザのエリートカテゴリーに示されているように、高い基準を満たす膨大な量の書類提出が求められます。
証明基準の例を挙げると、卓越した能力者を対象とするこのカテゴリーでは、申請者は国内または国際的な評価を維持していることを証明しなければなりません。また、10項目の基準のうち少なくとも3項目に該当するか、ピューリッツァー賞、オスカー賞等の受賞、オリンピックのメダル獲得など、卓越した能力を証明しなければなりません。さらに、専門分野での活動を継続する意思があることの証拠を提出しなければなりません。
具体的には、申請者は以下のうち少なくとも3点の証拠を提示しなければなりません。
- 優秀性を示す国内または国際的にあまり知られていない賞の受賞
- 卓越した業績を必要とする分野の協会への所属
- 申請者に関して取扱った専門誌や主要業界誌、またはその他の主要メディアの記事等
- 個人または審査員団等の他者による業績の評価
- 当該分野に多大な影響を与える科学的、学術的、芸術的、運動能力、またはビジネス関連の独創的な貢献
- 専門誌や主要業界誌、またはその他の主要メディアにおける学術論文の執筆
- 芸術展や展示会等での作品展示
- 著名な組織における主役や重要な役柄の演技、演奏等
- 同分野の他の個人と比較して高額な給与、その他の高額な報酬
- 演技、演奏等のパフォーマンスにおける商業的成功
USCIS(米国市民権・移民業務局)は、提示すべき基準を詳細に説明することに一貫して取り組んできましたが、このビザカテゴリーにふさわしいとみなされる具体的な証拠は年々進化しています。昨年9月、USCISは卓越した能力(Extraordinary Ability)カテゴリーにおける雇用ベースの第一優先(EB-1)移民請願に関する方針マニュアルを更新しました。具体的には、USCISは同等の証拠の例と、USCISが「関連する可能性のある証拠をすべて考慮する」方法を提示しました。
さらに、受理し得る証拠を明確にするため、USCISは10月2日に新たなポリシー・マニュアルの更新を行いました。ここではさらに明確化が図られ、次のように記載されています。
- チームとしての国内または国際的にあまり認知されていない表彰、受賞を考慮する。
- 過去の会員資格を考慮する。
- 出版物の基準を満たすには、出版物の価値と本人の作品や貢献を証明しなければならない、というような文言を削除する。
- 辞書では「展覧会(exhibition)」は芸術に限らない公開展示と定義されているが、関連規定では「芸術的」ということばが明示的に追加されているため、芸術以外の公開展示は、適切な証拠を提示した正当な主張の一部としてのみ考慮されることを説明する。
これらの明確化により、審査プロセスに一貫性がもたらされる可能性が高まると予想されています。
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