労働法に関して、2023年は、控えめにいっても大きな変化がありました。労働組合結成プロセスの大きな変更からビッグ3におけるUAWによる史上初の一斉ストライキ、NLRBによる競業避止義務契約の精査にわたって、多くの人が歴史的な年であったというでしょう。全国労働委員会(NLRB)がまだ活発に活動しており、大企業労働者はルネサンスを謳歌していますが、少なくとも世間の注目の観点からは、2024年は、さらに目を見張る展開が待っている可能性が高いです。新年に注目されるトップ3は以下のとおりです。
1. 民間部門の労働組合数は増加するか。
スターバックスの全米にわたる組合結成活動やビッグ3のUAWストライキなど注目度の高い労働紛争により、メディアの注目を浴びているにもかかわらず、民間部門において、労働組合の数は増加していません。実際、最新の数字によると、労働者の組合加入率は過去最低で、わずか6%です。組合選挙の請願件数(および当選件数)は増加していますが、長年の減少による減少を食い止めるにこれらは十分ではありません。この1年で再び注目を集めたことが、組合の運命を逆転させるのに役立つかもしれません。
2. 非組合職場にワインガルテン権は導入されるか。
労働組合を組織している雇用主であれば、「ワインガルテン権 」についてよく知っているでしょう(または、少なくとも聞いたことがあるはずです。)。馴染みのない人のために説明すると、この権利は数十年前の連邦最高裁判所の判例に由来しており、組合代表の従業員は、その従業員の懲戒につながる可能性のあるあらゆる調査面接において、要求に応じて組合の代理人を立てる権利を有するとしたものです。言い換えれば、そのような労働者は、組合役員を会議に出席させ、代理させることができます。
これは、2000年代前半のごく短期間を除き、非組合雇用主が直面することのなかった問題です。現在のNLRB顧問は、この状況を変えようとしています。彼女は、非組合環境においてもワインガルテン権を適用すべきとの考えを何度も示しています。2024年がその年になるかもしれません。今後に注目です。
3. NLRBは、特定の事例において、「不利益処分」の要件を必要としなくなるのか。
全国労働関係法(NLRA)を含む、ほとんどの労働・雇用関連法では、従業員が何らかの差別を主張する場合、特に労働者が金銭的賠償を求めている場合には、勝訴するために雇用主による何らかの不利益処分(懲戒、降格、解雇など)を示さなければなりません。しかし、NLRBに提訴される場合には、もはやそのような必要はないようです。
ブルームバーグ・ローの最近の記事によると、全国労働関係委員会のトップ弁護士は、検察官が違法な反組合差別を立証するためには、労働者が解雇や懲戒処分などの雇用上の不利益処分を受けなければならないという現行の要件を撤廃したいと考えているようです。NLRBジェニファー・アブルッツォ顧問は、スターバックス・コーポレーションが組合活動を理由に労働者の転勤要求を拒否したことで連邦労働法に違反したという申し立てを棄却した行政法判事の判決に対する異議申し立ての一環として、先週、法的基準の変更を求めました。
最近の労働法と労使関係の動向には目が離せません。ほかにも多くの問題がありますが、新年を迎えるにあたって特に注目しているのは、上記3つの問題です。それでは、よいお年をお過ごしください。
本ニュースレターは、法律の最新情報、動向をご案内するものであり、いかなる場合も法務サービス、法務アドバイスの意味を持つものではありません。本ニュースレターは、一般的な案内目的でのみ配布されるものですので、個々の問題については弁護士までご相談下さい。
©2023 Barnes & Thornburg LLP. All Rights Reserved. 書面による許可なく複製することを禁止します。