新しい年が始まり、2025年3月初旬には2026年度のH-1B登録受付が正式に開始されます。H-1Bビザは、米国でコンピュータサイエンス、エンジニアリング、会計、医療などの専門分野における専門職に就くことが内定した外国生まれの個人を対象とした、広く利用されている非移民ビザです。
米国連邦議会は、毎年発行される新規のH-1Bビザの数を制限しており、学士号取得者向けに65,000件、米国の修士号取得者以上の外国人向けに20,000件の枠が設けられています。自由貿易協定により、チリおよびシンガポールの国民向けには6,800件のH-1Bビザ枠が確保されています。
2020年、米国移民局(USCIS)はH-1Bの請願書提出に先立って番号を割り当てる電子事前登録システムを導入しました。登録期間は通常2~3週間で、3月末にUSCISが抽選を行います。当選した場合は、雇用主と弁護士にUSCISから電子通知が送られます。
選定後、雇用主は90日以内に、選定された登録者の代理としてH-1B請願書を提出しなければなりません。H-1B請願が承認された場合、就労開始日は2025年10月1日となります。
上限枠シーズンが迫る中、雇用主が今知っておくべきことは?
H-1B抽選の登録料金は、雇用主が抽選に登録する受益者1人につき適用され、今年は10ドルから215ドルに値上げされます。登録料金は返金されません。雇用主は、弁護士と相談しながら登録戦略を計画する際には、この料金値上げを考慮する必要があります。この料金は登録提出ごとではなく受益者ごとに適用されるため、すぐに膨れ上がる可能性があります。
H-1B 近代化に関する新規則
2024年12月17日、米国国土安全保障省はH-1Bプログラムの近代化を目的とした最終規則を発表しました。2025年1月17日に発効された新規則では、「専門職」の意味が再定義、明確化されています。また、F-1ビザステータスの学生で、オプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)またはSTEM分野(科学、技術、工学、数学)のOPTによる有効な就労許可を保有しており、抽選に当選し、H-1Bステータスの変更申請が保留中の学生については、当該年度の4月1日まで「キャップギャップ」就労許可が延長されます。
近づくH-1B上限枠シーズンに向け、雇用主は何をすべきか?
2026年のH-1B抽選登録に備え、雇用主は、過去にH-1Bステータスを取得したことがなく、2025年10月1日以降に取得する必要があり得る現従業員、および雇用見込みの非米国市民従業員をすべて特定することを検討すべきです。これには、以下が含まれます。
- F-1ビザステータスを保有し、OPTまたはSTEM OPTの就労許可のもとで就労している学生、最近採用された従業員、有給インターン
- グリーンカードの資格を得るための多国籍マネージャーとして認められない特定のL-1社内転勤者
- グリーンカード取得を希望するTNステータスの個人
- H-1Bステータスの資格を有するが、過去の抽選でH-1B番号に当選しなかった外国人従業員候補
- その他のH-1B候補者(特定のE-3およびH-1B1ビザ保持者、H-4、L-2、E-2ステータスの配偶者を含む
なお、以下の従業員はH-1B抽選登録手続きが免除されます。
- 雇用主を変更する者で、現在H-1Bステータス保持、または過去にH-1Bステータスを有し、H-1Bの残存期間が6年間ある者。
- 上限枠に該当し、既存のH-1Bステータスの延長のみが必要な者。
- 特定の非営利団体や教育機関など、上限枠の適用外となる組織に雇用されている者。
雇用主は、H-1Bビザの登録プロセスを早期に開始し、競争率の高いH-1Bビザ枠を確保するか、あるいは、O-1、L-1、E-2、E-3、TNなどのH-1B以外の非移民ビザのオプションを検討する必要があります。
詳しくは英語版をご覧ください。
本ニュースレターは、法律の最新情報、動向をご案内するものであり、いかなる場合も法務サービス、法務アドバイスの意味を持つものではありません。本ニュースレターは、一般的な案内目的でのみ配布されるものですので、個々の問題については弁護士までご相談下さい。
©2025 Barnes & Thornburg LLP. All Rights Reserved. 書面による許可なく複製することを禁止します。