今年も残すところわずかとなりましたが、雇用主にとって重要な12のトピックを紹介する「ハンドブック・アップデート12日間」の第4回目をお届けします。
自社のハンドブック・ポリシーが、全国労働関係法(NLRA)に基づく従業員の権利行使を阻害していませんか。8月に、全米労働関係委員会(NLRB)は、Stericyle事件において、ハンドブック・ポリシーが第7条の従業員の権利行使を萎縮し、違法ではないかを判断する新しい法的基準を採用する決定を下しました。
NLRA第7条は、従業員が団体交渉やその他の相互扶助・保護を目的として、自主的に組織化し、協調活動を行う権利を保証しています。第8条(a)(1)は、雇用主が従業員の第7条の権利行使を「妨害、拘束、強要」することが不当労働行為であることを明確にしています。
Stericycle事件以前は、NLRBは「NLRAの権利に対する潜在的影響の性質と程度」と「規則に関連する正当な理由」を評価するバランス基準を適用していました。しかし、NLRBはStericycle事件において、当該基準は 、「雇用主が従業員の第7条に基づく権利行使を萎縮する、行きすぎた就業規則を採用することを許すことになる。」 と述べました。
Stericycle事件において、NLRBは新たな基準を設けました。その基準は、以下のとおりです。
もし従業員がハンドブック・ポリシーを、第7条の活動を制限または禁止するものと「合理的に解釈」することができるならば、そのポリシーは「推定的に違法」となります。規則やポリシーが強制的な意味を持たないと合理的に解釈できるかどうかは問題ではなく、規則の背後にある雇用者の意図も問題ではありません。ただし、雇用主が、その規則が合法的かつ実質的な事業利益を促進するものであり、雇用主がその利益を促進するために、より狭く調整された規則を用いることができないことを証明できれば、その規則が違法であるという推定を覆すことができます。
それでは、これは雇用主にとって何を意味するのでしょうか。それは、ハンドブックに目を通したうえで、従業員の協調活動を行う権利を萎縮する効果があると従業員の立場から合理的に解釈できるかどうかを確認する必要があるということです。特に注意すべきハンドブック・ポリシーとしては、以下の内容が含まれます:
・会社を中傷することの禁止
・職場の礼節の要求
・冒涜的な言動の禁止
・職場でのカメラ使用の禁止
・守秘義務の要求
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