今年も残すところわずかとなりましたが、雇用主にとって重要な12のトピックを紹介する「ハンドブック・アップデート12日間」の第8回目をお届けします。
多くの雇用主にとって、ホリデーシーズンは最も忙しい季節であり、通常、従業員の残業も増えます。米国労働省が9月に提案した、公正労働基準法(FLSA)に基づく時間外労働および最低賃金の適用除外である「ホワイトカラー」を定義する規則の改正により、来年の今頃は時間外労働の様相が変わっているかもしれません。
FLSA第13条(a)(1)および第13条(a)(17)は、従業員の最低賃金および時間外労働の免除を規定しています。DOLのファクトシートに記載されているように、免除のためには、従業員は一般的に職務テストをクリアし、週給684ドル以上の給与を支払わなければなりません。DOLの規則案は、最低給与水準を週684ドル(年俸35,568ドル)から週1,059ドル(年俸55,068ドル)に引き上げようとしています。また、同規則案は、最低給与水準をいくつかの米国領土にも適用しようとしています。
さらに、DOLは、高報酬従業員(HCE)免除の基準額を引き上げようとしています。規則案では、この免除のための報酬要件を年間107,432ドルから143,988ドルに引き上げています。
DOLは、雇用主による何らかの介入がなければ、この最低給与水準の引き上げ案により340万人の労働者が「免除」されなくなると予測しています。同様に、HCEの年間報酬要件の引き上げにより、248,900人の従業員が免除されなくなります。
前回DOLがFLSA規則を調整したのは3年前であり、規則案は、今後3年ごとに基準額を自動的に調整するよう求めています。今回の規則案は2024年4月に最終決定される予定です。
年末を迎えるにあたり、雇用主はこの規則案により何人の従業員が「免除」から「非免除」に変わるかを検討する必要があります。今こそ、全ての「免除」従業員が職務テストをクリアしているかどうかを評価する良い機会です。また、雇用主は、ハンドブック、特に非免除または免除の従業員に特別に適用されるポリシーを確認し、変更案が自社のビジネスにどのような影響を与えるかを検討してください。今後のDOLの最終規則もご確認ください。
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